金剛寺の梅(東京都青梅市)

梅花の季節になった。

梅の名所として知られる東京都青梅市では数年前、梅の木に病気が流行したせいで、梅林などのほとんどの梅を伐採してしまった。しかし、全てを伐ってしまったわけではなく、残っている株もあるという。

そこで以前から気になっていた、金剛寺の梅を訪ねてみた。

青梅市街の西、多摩高校の東に位置する金剛寺は、青梅山無量寿院と号し、真言宗豊山派の寺院である。元々は御室仁和寺、後に長谷寺の直末であり中本寺であったというから、この地域では相当有力な由緒のあるお寺であろうことが察せられる。

 

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都指定文化財の表門。金剛寺は天保年間に火災に遭い、この表門のみが焼け残ったという。

この寺にある梅の木は、平将門の伝説を持ち、青梅という地名の元になった梅だという。鎌倉末から室町期にかけて、この青梅を含む三田領の領主であった三田氏が平将門の末裔を自称していたからであろうか、この附近には将門伝説が多く残っている。

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都指定天然記念物、金剛寺の青梅。

この梅は実が熟しても黄色くならず、青いままだという。そこから青梅という地名が付けられたらしい。

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元々こういう種類なのか、老木だからなのか分からないが、小さくて可愛らしい花を付けている。

この梅は昔から著名のようで、『新編武蔵風土記稿』はもちろんのこと、『武蔵演路』、『本朝俗諺志』、『武蔵名勝図絵』といった江戸時代の地誌にその名と由緒が記されている。

地名の元となった木が残り、花も咲いていてほっとした。

次はぜひ、実がなる時期に来てみたい。