読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

芦ヶ久保の氷柱・宝登山の蝋梅

神社 散歩

好天に恵まれた1月の下旬、秩父の新名所を2カ所巡ってきた。私は有名観光地には行かない主義なのだが、まあこの辺りなら許容範囲であろう。

まずは西武秩父線芦ヶ久保駅から歩いて15分くらいのところにある氷柱を見に行く。

f:id:x-1:20160127093502j:plain

雪の芦ヶ久保駅。正丸トンネルを抜けるとそこは雪国であった…。

ごらんのように1月18日の大雪がかなり残っていた。関東の平地部では18日の朝から雨に変わったので積雪はそれほどでもなかったのだが、気温の低い秩父は雨にならなかったのだろう。しかし氷柱までの道は非常に良く整備されていて歩きやすかった。雪かきは大変な作業だったろう。

f:id:x-1:20160127095226j:plain

f:id:x-1:20160127101021j:plain

氷柱は……暖冬で人工氷が育たなかった上に、大雪が重なってしまったので、なんだかよく分からない状態だった。今後も暖冬が続くと厳しそうだね…。

上まで歩いて行くと、元気の良いお姉さんたちが秩父産の甘酒と紅茶を振る舞ってくれた。私は酒が飲めないので紅茶にしたけれども、暖かくて美味しかった。

 

f:id:x-1:20160127105947j:plain

いまいちパッとしない仲見世も、とうとう温泉施設を作ってリニューアルするとかで、取り壊しが始まっていた。西武も本腰を上げて秩父の観光開発に乗り出すということなのかな。まあ日本人は温泉好きだから、駅に付属してると客は大幅に増えるだろうね。

 

f:id:x-1:20160127115649j:plain

秩父鉄道長瀞下車で徒歩で宝登山神社。ロープウェイに乗る場合は無料の送迎バスがある。

f:id:x-1:20160127115939j:plain

宝登山には4,5回来ているのだが、前に神社に来たときは社殿を建て替えている最中だった。今回はきれいな姿を見ることが出来た。

この宝登山神社というのは面白い神社で、秩父神社三峯神社を併せて「秩父三社」を名乗っているのだけれど、その正体が実に怪しいのである。

社伝には創建にまつわる伝説が語られているが、いかにも取って付けたような日本武尊神話で、歴史時代に入ってからの逸話が全く存在しない。

江戸後期の地誌『新編武蔵風土記稿』には、その存在すら出てこない。当時の別当寺であった玉泉寺は1114年(永久二年)の創建とされているが、それ以後、江戸末に至るまでどうもありふれた修験の山寺であったようである。

幕末時の玉泉寺住職は小菅栄乗といい、この小菅家の努力が宝登山神社を大きくしたのは間違いない。栄乗は1838年(天保九年)には御室仁和寺より院家格を允許され、主要仏具に菊花御紋章を附することを許されるなど、政治的働きかけに積極的な人物だったようだ。(『秩父郡市神社御時歴』より)

そして機を見るに敏な栄乗は、明治政府神仏判然令の発布とともに宝登山権現・玉泉寺と宝登山神社を分離して、自らは後者の宮司に収まり、名を神職風に小菅是道と改めた。しかし、社格制度ができあがった1872年(明治五年)には宝登山神社はまだ村社(村の鎮守)扱いでしかなかった。それが突然、1898年(明治三十一年)に県社に昇格したのである。

これは小菅是道の子で、三代目の宮司であった小菅宗一という人物が、おそらく中央に働きかけて実現したものなのだろう。そして1914年(大正三年)には、秩父宮高松宮両殿下が御参拝され、その名はますます高まり、現在に至るのである。

時勢を上手に読みながらお墨付きを得たり、主神を神武天皇としたり、日本武尊の伝説を社伝としたり、私はこういう歴史を見ると、経営が上手いなあと素直に感心するのである。なにせ宝登山神社は、式内社秩父総鎮守の秩父神社や、江戸期には三峯講信者が全国から集まった三峯神社と並ぶところまで「出世」したのだから、本当に大したものである。

 

さて、前置きが長くなってしまった。蝋梅園のある山頂付近まで登山開始だ。

f:id:x-1:20160127124318j:plain

登山道は雪に埋もれていたが、良い具合に溶けかけていてアイゼンやストック無しでも登ることが出来た。トレッキングシューズにスパッツは必須だが。写真は荒川対岸の釜伏峠、登谷山方面。

f:id:x-1:20160127125706j:plain

小一時間かけて山頂近くまで登ると、左の不動山と間瀬峠の間から遠くに赤城山が見える。右の陣見山の向こうは日光の山だと思うが、霞んでよく見えない。皇海山かもしれないが…。山頂から降りてきた男性グループは、日光白根や男体山が見えると言っていたが、視認も出来ないし、写真でも確認できなかった。もっとよく晴れた早朝なら見えるのかも知れない。

f:id:x-1:20160127125657j:plain

左手には榛名山がよく見える。掃部、榛名富士、相馬山が視認できる。

f:id:x-1:20160127130157j:plain

奥宮への階段は凍り付いていた。アイゼン無しで下るのは危険だから、帰りはロープウェイだな。

f:id:x-1:20160127130425j:plain

奥宮。

蝋梅園は山の南斜面にある。

f:id:x-1:20160127130719j:plain

f:id:x-1:20160127131645j:plain

f:id:x-1:20160127131702j:plain

f:id:x-1:20160127131724j:plain

蝋梅はちょうど花盛りだった。花の少ない時期に咲く貴重な蝋梅を、これだけ集めるというのはなかなかユニークな試みだなと思う。

f:id:x-1:20160127130918j:plain

蝋梅園の上からは山の眺めが素晴らしい。右に突き出たのが城峯山。中央奥に両神山

f:id:x-1:20160127130932j:plain

三国山から三宝山、甲武信ヶ岳。雲の下が和名倉山かな。その手前が秩父御嶽だ。

f:id:x-1:20160127131101j:plain

中央左が武甲山。その右に蕎麦粒山、三ッドッケ、太平山、いわゆる長沢背稜の山々。

秩父から奥多摩、奥武蔵まで一望できるのが凄い。ここまでとは思わなかった。

f:id:x-1:20160127131339j:plain

2016年、1座目は宝登山。497.1m。

f:id:x-1:20160127135250j:plain

帰りはロープウェイで。お客さんで満員でした。

軽い雪山ハイキングもできたし、花は盛りでとてもきれいだった。おまけに山々も遠望することが出来て、大変満足できる一日だったと思う。

次の山歩きは花粉明けで4月かな?